内芝牧場として牛乳を販売する傍らで始まったみかん栽培。そのため決して歴史あるみかん農家ではありませんが、食べる人、できるみかんのことを考えた、みかん作りの情熱はどこにも負けません。
安心をお届けする「JGAP認証」
安全かつ効率的に持続可能な農業経営の基準を満たした農場に与えられる「JGAP認証」。その審査項目は約300にものぼり、商品自体の品質だけでなく、農地の状態や農薬の管理方法・処理方法、従業員の安全対策、環境対策など、背景にある見えない部分まで厳しくチェックすることで確かな品質が認められます。
和歌山で認証を受けているのは内芝ファームを含めて数軒です。
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01環境保全
地球温暖化対策や土壌環境に配慮した適切な施肥、廃棄物の適正な処分ができているかがこの項目の審査基準。例えば残った薬剤は水には流さず土に還すなど、環境のことを考えるとどの場所でどう処分するかが変わってきます。また廃棄物を適正に処理するだけでなく減量することもエネルギーと環境負担を軽減。内芝ファームでは出荷できない規格外のみかんや柑橘をジュースとして商品化し、資源を有効活用しています。
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02労働安全
安心して働いてもらえる労働環境も、この認証によって保証しています。機械や設備の点検・整備、事故防止マニュアルの徹底など、審査項基準はいずれも働く人を守るためのもの。道具1つをとっても次に誰がどこを使うかを記録し、働く人にわかりやすく整理整頓。
薬品は万が一の事故に繋がらないよう保管場所を分け、こぼれた時を想定した対策と共に、規定の日数を空けないと使用できないルールを設けています。 -
03食品安全
小さい子からお年寄りまで、幅広く口にするものだからこそ、安全面は徹底。例えばみかんに触れる手はあらかじめ洗って作業にあたるなど、栽培や収穫の段階でも食べる人のことを考えた衛生環境を整えています。
使う農薬も基準に則った安全なものを使用し、かつ残留農薬のチェックを欠かしません。ロットナンバーでいつ収穫・出荷したかもわかるトレーサビリティを導入。さまざまな面から安全を確保した上で、責任を持ってお客様にお届けしています。 -
04農場経営管理
農場全体の管理はもちろん、商品管理や肥料管理、労務管理など、それぞれの部門に責任者を配置し、健全経営のための管理体制を確立することで、全体と細部の両面を把握し、ルールを徹底することができています。
生産環境の確認やリスクの検討、さらに管理の作業手順を作り、従業員を教育。体制を整えるだけでなく認証を受ける段階で厳しいチェックがあり、すべての項目で合格基準を満たしたとして認証を取得しています。 -
05アニマルウェルフェア
自然ゆたかな有田川。時に畑にイノシシやイタチ、タヌキなどの野生動物が入り込み、みかんを食べたり木を倒されたり、畑に穴を掘ったり、さまざまな悪戯を仕掛けてきます。こういった獣害から畑とみかんを守るための対策を実施。まず柵を張るなどで畑に入れないよう対策を取り、簡単に駆除するよりも、互いに自然の中で共存できる方向性を模索しています。
内芝牧場三代目 内芝洋平です!
もともとうちは牧場で、祖父が遊んでいる土地にみかんの木を植えたのがみかん栽培のきっかけです。みかん産地ということもあって、僕自身みかんと共に育ってきたようなものでした。
とはいえ、大学までずっと野球に心血を注ぎ、卒業後地元企業に就職、少年野球の監督にシフト。父の体調不良から牛乳配達業を手伝うようになり、結婚を機に専念しようと決意。新規開拓で営業に訪れた先でふるさと納税の出品を勧められ、試しにデコポンを出品したところダントツの人気商品になりました。ところが、これがビギナーズラックで、2年目にはリピートの方から「去年と味が違う」とお叱りを受けることに。それでも直接リアルな声を聞けるのは嬉しいもの。「ならばもっとおいしいものを」とスイッチが入りました。
みかんは甘いのがいいと思われがちですが、適度に酸味も乗せた方がよりおいしい。糖度センサーで酸度も測れるため、じゃあどの程度の酸度が適度かというのを調べるため、たくさん食べてデータを取りました。そんなふうに試行錯誤を重ねることで、今では安定しておいしいみかんを作れるようになりました。
正直、みかん農家になって人生がおもしろくなりました。どんどんおいしいみかんができるようになって、買ってくれた人が喜んでくれるのが本当に嬉しい。
イベントにはいつもオレンジ色の衣装を着て出店し、みかんの被り物で「有田みかん王子」としてPRしています。いずれ目指すは全国展開。そのために畑も事業もますます拡大していければと思っています。
TEAM UCHISHIBA FAM
沿革
昭和27年 | 祖父が牧場を開始。搾乳をし、明治と取引をし始める |
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昭和48年 | 牛が亡くなり、明治乳業と取引開始。有田中央宅配センターとなる |
昭和48年 | 同時に牧場であった跡地にみかんの木を植える |
平成15年 | 祖父他界に伴い、父 福一が牛乳販売店業と農家をを継ぐ |
平成20年 | 洋平が店主となる |
平成30年 | 11月1日 株式会社内芝ファームが誕生 |